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近年、人工知能(AI)の分野で急速に存在感を高めている中国のスタートアップ企業「DeepSeek」。その高性能なAIモデルは、OpenAIやGoogleといった米国の大手企業に匹敵する性能を持ち、世界中の注目を集めています。しかし、その急成長の裏には、データの不正利用やセキュリティ上の懸念など、さまざまな疑惑が浮上しています。今回は、DeepSeekに関する最新の疑惑とその背景について詳しく解説します。
1. GoogleのAIデータを無断使用?トレーニングデータの出所に疑問
DeepSeekが2025年5月に発表した最新のAIモデル「DeepSeek-R1-0528」は、数学やプログラミング、論理的推論の分野で高い性能を示しています。しかし、AI研究者の間では、このモデルのトレーニングデータの一部がGoogleのAIモデル「Gemini」から無断で使用されたのではないかという疑惑が持ち上がっています。DeepSeekはトレーニングデータの詳細を公表しておらず、透明性の欠如が指摘されています。
2. 米国の輸出規制を回避?Nvidia製チップの不正入手疑惑
米国の議会は、DeepSeekが米国の輸出規制を回避して、Nvidiaの先進的なAIチップを不正に入手した可能性について調査を開始しました。報告によれば、DeepSeekは約6万個のNvidia製チップを入手し、AIモデルの開発に使用したとされています。この行為が事実であれば、米国の国家安全保障に対する重大な脅威となる可能性があります。
3. ユーザーデータの中国への送信とセキュリティリスク
DeepSeekのAIアプリが、ユーザーのログイン情報やチャット履歴などのデータを、中国の国有通信会社やByteDance(TikTokの親会社)に送信していたことが、セキュリティ研究者によって明らかにされました。この問題により、韓国やオーストラリア、カナダなどの国々では、政府機関でのDeepSeekの使用が禁止され、新規ダウンロードも停止される事態となっています。
4. 政治的な検閲の存在:AIモデルの応答制限
DeepSeekのAIモデル「R1」は、特定の政治的に敏感なトピックに対して回答を拒否する傾向があることが、研究者によって報告されています。これは、AIモデルが中国政府の検閲方針に従って設計されている可能性を示唆しており、AIの中立性や自由な情報提供に対する懸念が高まっています。
5. AI安全性への懸念:非人間的な思考プロセスの導入
DeepSeekのAIモデルは、問題解決の際に英語と中国語を切り替えるなど、人間には理解しづらい思考プロセスを採用していることが報告されています。このような非人間的な推論方法は、AIの透明性や安全性に対する新たな課題を提起しており、専門家からは慎重な対応が求められています。
まとめ:技術革新と倫理的課題の狭間で
DeepSeekは、その革新的な技術によってAI業界に新たな風を吹き込んでいますが、その急成長の裏には多くの倫理的・法的な課題が存在しています。データの不正利用やセキュリティリスク、政治的な検閲など、解決すべき問題は山積しています。今後、DeepSeekがこれらの疑惑にどのように対応し、透明性と信頼性を確保していくのかが注目されます。