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そんな「Wi-Fiが遅い」「繋がらない」というトラブル、本当にストレスが溜まりますよね。
「難しい設定はわからないし、サポートセンターに電話するのも面倒だ…」
「昨日までは普通に使えていたのに、なぜ急に?」
そんな風に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
でも、安心してください。多くの場合、Wi-Fiの不調は専門的な知識がなくても、ごく簡単な見直しで解決できるケースがほとんどです。
この記事では、ネットガイド「かいせつくん」が、Wi-Fiが遅い・繋がらない時の原因と、初心者の方でも今すぐ試せる具体的な対処法を、ゼロから丁寧に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたはWi-Fiトラブルの原因を自分で特定できるようになり、快適なインターネット環境を取り戻すための具体的な一歩を踏み出せているはずです。
なぜ? Wi-Fiが遅い・繋がらない時の主な5つの原因
まずは敵を知ることから始めましょう。Wi-Fiが遅くなる原因は様々ですが、よくあるのは以下の5つのパターンです。
原因1:Wi-Fiルーターや端末(スマホ・PC)の一時的な不調
最も多く、そして最も簡単に対処できる原因です。
Wi-Fiルーターもスマホやパソコンと同じ「小型のコンピューター」です。24時間365日働き続けているため、熱がこもったり、内部の処理が混雑したりして、一時的に動作が不安定になることがあります。これは「なんとなく調子が悪い」という、人間でいう「寝不足」のような状態です。
原因2:Wi-Fiルーターの「置き場所」が悪い
Wi-Fiの電波は、目に見えない「波」です。そのため、障害物や置き場所によって、その力は大きく弱まってしまいます。
- 棚の奥深くや床の隅
- 水槽や花瓶の近く(水は電波を吸収します)
- 金属製の棚の中(金属は電波を反射・遮断します)
- 電子レンジなどの家電製品の近く(電波干渉を起こします)
このような場所にルーターを置いていると、Wi-Fiの電波がスマホやパソコンに届くまでに弱まり、速度低下や途切れの原因になってしまいます。
原因3:たくさんの機器が「同時に」接続している
Wi-Fiルーターが一度に処理できるデータ量には限界があります。これは、「道路の広さ(帯域)」に例えると分かりやすいです。
家族全員のスマホ、パソコン、テレビ、ゲーム機、さらにはスマート家電(エアコンや照明)まで…。これらが一斉にWi-Fiに接続すると、道路は車で大渋滞。一台一台がスムーズに進めなくなり、結果として「速度が遅い」と感じるわけです。
原因4:使っている「周波数帯」が混雑している
Wi-Fiには、主に「2.4GHz(ギガヘルツ)」と「5GHz」という2種類の電波の通り道(周波数帯)があります。
- 2.4GHz:
- 特徴:障害物(壁や床)に強く、遠くまで届きやすい。
- 弱点:電子レンジやBluetoothなど、他の多くの機器も使うため「混雑しやすい」。
- 5GHz:
- 特徴:通信速度が速く、電波干渉が少ないため「快適(空いている)」。
- 弱点:障害物に弱く、ルーターから離れると電波が届きにくい。
もし、近隣の家々も同じ2.4GHzを多用していると、電波が干渉し合って速度が低下しやすくなります。
原因5:ルーター本体や使っている規格が古い
「このルーター、もう5年以上使っているな…」という場合、ルーター本体の性能が、現在の高速なインターネット回線や、最新のスマホの性能に追いついていない可能性があります。
また、Wi-Fiには「Wi-Fi 6 (11ax)」や「Wi-Fi 5 (11ac)」といった通信規格(ルール)があります。古い規格(例:Wi-Fi 4 (11n))のルーターを使い続けていると、せっかく高速な光回線を契約していても、Wi-Fiの部分で速度が頭打ちになってしまいます。
【初心者でも簡単】今すぐ試せる!Wi-Fi速度を劇的に改善する7つの対処法
原因がわかったところで、いよいよ実践です。専門用語は使わず、簡単なものから順番に解説しますので、ぜひ一つずつ試してみてください。
対処法1:【最重要】ルーターと端末を「再起動」する
何はともあれ、まずはこれです。前述の「一時的な不調(寝不足)」は、再起動(電源の入れ直し)でリフレッシュさせるのが一番効果的です。
再起動の正しい手順
- スマホやパソコンなど、Wi-Fiに接続している端末の電源を切る(またはWi-Fi機能をオフにする)。
- Wi-Fiルーターの電源アダプタをコンセントから抜く。
- そのまま1分ほど待つ。(すぐに挿し直さず、放電させるのがコツです)
- Wi-Fiルーターの電源アダプタをコンセントに挿し、起動するまで数分待つ。
- スマホやパソコンの電源を入れ(またはWi-Fiをオンにし)、Wi-Fiに接続してみる。
これだけで、ウソのように速度が改善することが本当によくあります。
対処法2:Wi-Fiルーターの「置き場所」を変える
電波の通り道を良くしてあげましょう。理想的な置き場所は「家の中心あたりで、床から1〜2mほどの高さがある場所」です。
- NG: 床の隅、テレビの裏、棚の奥、金属ラックの中、水槽の横
- OK: リビングの中心に近い棚の上、机の上など、周りに障害物がない場所
ルーターのアンテナ(内蔵されている場合もあります)が全方位に電波を飛ばしているイメージで、最適な場所を探ってみてください。
対処法3:接続するWi-Fi(SSID)を切り替えてみる
ルーターから「A」と「G」の2種類の電波が出ているのを見たことがありませんか?(例:Wifi-A, Wifi-Gなど)
これは多くの場合、周波数帯を示しています。
- ****-A や ****-5G と書かれているもの → 5GHz(高速だが障害物に弱い)
- ****-G や *-2.4G と書かれているもの → 2.4GHz(低速だが障害物に強い)
もしルーターの近く(同じ部屋など)で使っていて速度が遅いなら、高速な「5GHz」に接続し直してみてください。 逆に、ルーターから遠い部屋で電波が途切れがちなら、「2.4GHz」に接続すると安定する場合があります。
お使いの環境に合わせて、最適な道路を選び直してみましょう。
対処法4:不要な機器のWi-Fi接続を切る
使っていない古いタブレット、来客用のサブPC、スマートスピーカーなど…。意識していない機器がWi-Fiに接続し続け、回線の渋滞を引き起こしているかもしれません。
一度、ルーターの管理画面や、現在Wi-Fiに接続している機器一覧を確認し、使っていない機器のWi-Fi設定をオフにしてみましょう。接続台数を減らすだけで、速度が改善することがあります。
対処法5:ルーターの「ファームウェア」を更新する
「ファームウェア」とは、Wi-Fiルーターを動かすための基本ソフト(OS)のようなものです。
メーカーは、発売後もセキュリティの強化や不具合の修正のために、このファームウェアを定期的に更新(アップデート)しています。
この更新を怠っていると、動作が不安定になったり、セキュリティが危険な状態になったりします。多くの最新ルーターは自動で更新されますが、古い機種は手動での更新が必要な場合があります。
お使いのルーターのメーカー名(BUFFALO, NEC, TP-Linkなど)と「ファームウェア 更新」で検索し、手順を確認してみてください。
対処法6:LANケーブルが「抜けていないか」「古くないか」を確認する
意外な盲点ですが、壁の差し込み口(モデム)とWi-Fiルーターを繋いでいる「LANケーブル」が、半抜け(カチッと奥まで刺さっていない)状態になっていることがあります。一度、両端をしっかり挿し直してみてください。
また、そのケーブルが非常に古い場合(「CAT5」と印字されているなど)は、ケーブル自体が高速通信に対応できていない可能性があります。「CAT5e」や「CAT6」以上の規格のケーブルに交換するだけで、速度が向上することもあります。
対処法7:チャンネルの混雑を避ける(ルーターの設定)
これは少しだけ応用的ですが、効果は絶大です。
特に2.4GHz帯は、近所の家と同じチャンネル(電波の通り道)を使っていると、電波干渉で大混雑します。
多くのルーターは「自動」で最適なチャンネルを選んでくれる設定になっていますが、何らかの理由で固定されている場合は、混雑の原因になります。
ルーターの設定画面を開き、Wi-Fi(無線LAN)設定の中にある「チャンネル」の項目が「自動」または「オート」になっているか確認してみましょう。
これでもダメなら…「買い替え」や「契約見直し」を検討しよう
上記の7つをすべて試しても改善しない場合、機器の「寿命」や「性能限界」、あるいは契約している「回線プラン」自体に原因があるかもしれません。
チェックポイント1:Wi-Fiルーターの寿命(買い替え時かも?)
Wi-Fiルーターの技術は日進月歩です。一般的に、Wi-Fiルーターの寿命は4〜5年と言われています。
- 5年以上同じルーターを使っている
- 契約している光回線は速いはずなのに、Wi-Fiだけが遅い
- 接続する機器(スマホやPC)が増えた
これらに当てはまる場合、ルーター本体の性能が限界に達している可能性が高いです。最新の「Wi-Fi 6」や「Wi-Fi 6E」に対応したルーターに買い替えるだけで、通信速度が劇的に改善されます。
チェックポイント2:インターネット回線(プロバイダー)は混雑していないか?
Wi-Fiルーターが最新でも、その大元であるインターネット回線が遅ければ、速度は出ません。
特に、夜間や週末など、みんながインターネットを使う時間帯だけ極端に遅くなる場合、契約しているプロバイダーや回線の接続方式(PPPoE)が混雑している可能性があります。
より高速で混雑しにくい「IPv6 IPoE」という接続方式に対応したプランやプロバイダーへの乗り換えを検討するのも、根本的な解決策となります。
まとめ:Wi-Fiの不調は「簡単な見直し」から始めよう
今回は、Wi-Fiが遅い・繋がらない時の原因と対処法を解説しました。
難しい設定を疑う前に、
- ルーターと端末の「再起動」
- ルーターの「置き場所」の見直し
- 接続する周波数帯(5GHz / 2.4GHz)の切り替え
この3つを試すだけでも、解決できるケースは非常に多いです。
Wi-Fiの不調は、日々の小さなストレスの原因になります。この記事を参考に、まずはご自身でできる簡単な対処法から試して、快適なインターネット生活を取り戻してくださいね。

